【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、バンコク在住の中国人男性が、タイの警官に誘拐され、身代金として1000万バーツ相当を脅し取られたとして、20日、タイ警察に被害届を出した。
タイ警察はこの事件で、23日までに、警察少佐2人を含む入国管理局所属の男性警官6人と民間人の男1人の逮捕状をとり、このうち警官3人を逮捕した。3人は容疑を否認している。容疑者の警官の1人については、1000バーツの札束を持った女性と一緒に写った写真を、この女性が12日にフェイスブックに投稿していた。警察はこの女性に事情を聞く方針。
被害者は3月10日、バンコク都内の住宅から、一緒にいた通訳のタイ人女性とともに、複数の警官にら致された。偽のタイの身分証明証を所持していたことから、逮捕を免れたければ金を払うよう警官に脅され、息子に連絡して、1000万バーツ相当を送金させた。警官は送金の確認後、バンコク郊外のタイ政府総合庁舎で男性を解放した。
男性は2022年、容疑者の1人である民間人の男に50万バーツを払い、不正な方法でタイの身分証明証を取得したもよう。男は入国管理局の警官と共謀して身分証明証の違法発行を繰り返していたとみられ、22年6月に逮捕状が出ていた。
タイ警察入国管理局をめぐっては、犯罪組織メンバーを中心とする中国人数千人にタイの身分証明証を違法に発行した疑いが浮上し、所属の警官100人以上が取り調べを受けている。同局幹部が関与した可能性も指摘されている。また、不正な方法でタイの身分証明証を取得したり、タイで違法ビジネスに関与した中国人をら致して金銭を脅し取る事件も報告されている。