【タイ】タイ警察中央捜査局(CIB)は9月26日、タイ食品医薬品局(FDA)との合同でバンコク都内および北隣パトゥム・ターニー県内の計5カ所の工場を一斉捜索し、偽造せき止め薬を製造していたタイ人の女(34)を逮捕したと発表した。押収した偽造せき止め薬は17万2000本に上り、原材料や製造機器と合わせた押収品の総額は2000万バーツ(9300万円相当)を超える。
警察によると、逮捕された女を主犯格とするグループは過去に摘発を受けた犯罪ネットワークとつながっており、摘発を逃れるために製造拠点を転々と移しながら密造を続けていた。捜索は22日に行われ、工場からは「Datissin」ブランドを偽装した瓶詰め薬、空ボトル、ラベルなどが見つかった。1日当たり3万本を製造する大規模な工場で、過去2カ月間ほど流通させていたとみられる。
せき止め薬の需要が高い背景には、タイの若者の間で広まっている「4×100」と呼ばれる麻薬に似た作用をもたらす飲料を作る際、せき止め薬や抗ヒスタミン薬が用いられるという実態がある。警察やFDAがそのような乱用の監視を強化しており、捜査の過程で今回の摘発に至った工場の存在が明らかになった。
写真:Police TV