【タイ】ペートーンターン・チナワット首相兼文化相は8月18日、伝統影絵劇「ナン・ヤイ」について、来年初めにも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録を申請する方針を明らかにした。ナン・ヤイは、タイ版ラーマーヤナである「ラーマキエン」の物語を題材とした影絵劇で、かつては王宮、現代では寺院などで上演されている。
ペートーンターン首相によれば、タイでは「地域主体によるナン・ヤイ伝統芸能再活性化事業(CRNT)」が継続されており、同事業を取りまとめて申請する予定だという。現在、ナン・ヤイを定期的に上演している寺院は3カ所のみで、西部ラーチャブリー県のワット・カノン、中部シンブリー県のワット・サワーンアーロム、東部ラヨーン県のワット・バーンドーン。影絵の光源として、舞台裏の焚き木が用いられるのが伝統形式。
ナン・ヤイに類似した影絵劇や人形劇は東南アジア各国で見られる。タイではワット・カノンでの上演が広く知られているが、制作地としては南部パッタルン県が有名。