【タイ】4月9日は「農耕祭」で、官公庁が休みとなる。銀行は通常どおり営業する。タイ語で「プートモンコン(พืชมงคล)」と呼ばれる。正確には「プララート・ピティ・プートモンコン(พระราชพิธีพืชมงคล, The Royal Ploughing Ceremony)」。
農耕祭の開催日は毎年変わり、占星術で決まる。起源は13世紀のスコータイ王朝にまで遡り、バラモン教(ヒンドゥー教)と仏教の伝統行事が融合したといわれる。
現代の農耕祭はバンコク都内の王宮前広場で催され、ラマ10世が皇太子の頃から長く主宰している。儀式はバラモン司祭による祈祷で始まり、2頭の「聖なる牛」の登場に続く。牛の前にはコメ、トウモロコシ、豆、ゴマ、草、酒、水の七種類の食物が並べられ、牛が最初に何を食べるかによって、その年の農作物の出来が占われる。その結果は表向き、農業関係者や市場関係者にとって重要な「指標」になるという。
儀式ではその後、会場が鋤(すき)によって象徴的に耕作され、籾がまかれる。儀式が終わった後、一般見学客が会場に走り込んで我先にと籾を拾い集め、自らの田畑に植えて今年の豊作を願う、という流れになる。
写真:newsclip