【タイ】バンコク東隣サムット・プラカーン県バーンボー郡内のスクムビット通りで午後2時前、タンクローリーの左後輪から出火し、駆け付けた消防やレスキュー隊が火を消し止めてタンクを冷却した。LPガスへの引火が危ぶまれ、周辺住民がパニックに陥るところだった。
タンクローリーは15トンのLPガスを充てんしたばかりだった。走行中、左後輪のブレーキがかかったままとなり、熱を発してタイヤに引火したもよう。ドライバーはタンクローリーを道路わきに停めてただちに通報。近くにいた住民の協力を求めて消火器を持ち寄って消火に当たったが、鎮火できなかったためガスに引火することもあり得るとして避難について話しはじめ、皆がパニックに陥りかけたという。
最終的に、消防車が放水で消火。タンク冷却のためにそのまま30分間、放水を続けた。現場に居合わせた73歳の女性は、「35年前の惨事をすぐ近くで体験している。それを思い出した」と話していたという。
バンコクでは1990年 9月23日、ペッチャブリー通りの交差点で信号無視のために加速したダブル連結のタンクローリーが左折しながら転倒、牽引されていた後部のローリーが路面に引きずられて火花を発し、漏れ出たLPガスに引火して爆発するという事故が起きた。スラムが密集していた地区だったため瞬く間に燃え広がり、電線が焼けて停電となって人々が避難経路を見失い、ガスや煙での窒息も重なって90人が死亡、24人がけがをする惨事となった。
写真:Fire & Rescue Thailand