【タイ】政府住宅銀行(GHB)傘下の不動産情報センター(REIC)が公表した2026年第3四半期のバンコク首都圏の住宅市場調査の結果によると、業績改善や新規プロジェクト立ち上げの増加など回復の兆しがみられたものの、販売は依然として弱く、事業者は慎重な投資姿勢を維持していることが分かった。
住宅開発事業者の信頼感指数は、第2四半期の46.9から第3四半期には51.3に上昇し、好不況の分岐点とされる50を上回った。これによって事業者の現状認識は改善傾向が示された。一方、今後6カ月の見通しを示す指数は53.5から49.8に低下し、回復が今後も持続するかについては依然として慎重な見方が広がっている。
項目別では、業績指数が45.8から72.6に大幅に上昇し、最も顕著な改善を示した。しかし、販売指数は56.5から42.3に低下し、50を大きく下回った。業績改善は新規販売の回復によるものではなく、コスト管理の強化や在庫物件の販売促進、政府支援策による所有権移転の加速、既存プロジェクトからの売上計上などが主な要因とみられる。
新規プロジェクトおよび新フェーズの開発指数は50.0から70.0に上昇し、一部事業者が新規開発を再開したことを示した。これまで市場は購買力の低迷や高水準の在庫に直面し、投資が抑制されていた。投資指数は46.3から38.1に低下しており、事業者は全般的な投資拡大には踏み切らず、立地条件や実需を重視した案件に絞って開発を進めていることがうかがえる。このため、新規開発の増加を市場の本格的な拡大局面入りとみなすことはできず、販売見込みが高くリスク管理が可能な案件を選別して投資する「選択的投資」の傾向が強まっているといえる。
一方、事業コストは依然として大きな負担となっている。逆指数である事業コスト指数は40.6から37.5に低下し、事業環境の厳しさを示した。土地取得費、建設費、人件費、金融コストの高止まりが続く一方、消費者の購買力が十分に回復していないため、販売価格への転嫁に限界がある。今後は販売拡大だけでなく、コスト管理能力が収益維持の重要な鍵になるとみられる。
雇用指数は42.6から47.3に上昇し、事業活動の回復に伴う人材需要の改善がみられた。ただ、依然として50を下回っており、雇用拡大が本格化した段階には至っていない。事業者は組織拡大よりも経費管理や業務効率化を優先している。
先行きについては、消費者の購買力低迷、家計債務の高水準、融資審査の厳格化、事業コストの増加、景気の不確実性などが懸念材料となっている。今後6カ月の見通しでは、業績、販売、投資、雇用、新規開発の各指数が軒並み低下。改善がみられたのは事業コスト関連のみだった。

























