多額赤字のクールジャパン機構、インドネシアの自販機業者に出資

【インドネシア】官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は25日、インドネシアで飲料、食品などのキャッシュレス・AI(人工知能)機能を搭載した自動販売機を展開するジャンプスタート社に出資すると発表した。出資額は明らかにしていない。

 出資理由については、自販機を活用した日系食品・飲料メーカーの飲料、菓子、軽食をはじめとする低価格で気軽な日本食材の販売を拡大し、インドネシア展開に向けたプラットフォームとなることを期待するとしている。

 ジャンプスタートは2018年設立。インドネシア最大の自販機事業者で、インドネシア国内でコーヒーや飲料、軽食の自販機を1700 台以上設置、運用している。自販機事業が困難とされたインドネシアで、QR決済などのテクノロジー導入や設置対象エリアの見極めにより課題を解決した。AIシステムの導入で、自販機の売り上げデータをリアルタイムで収集し、適正在庫の予測と点検・補充ルートの設計を自動的に行い、効率的なオペレーションを実現した。同社はこれまでも自販機で日本メーカーの清涼飲料水や菓子、パンなどを販売し、全商材の中で大きな売り上げを占める。

 クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は「日本の魅力ある商品・サービスの海外需要開拓に関連する支援・促進」を目指し、2013年、法律に基づき官民ファンドとして設立された。「日本の魅力」を事業化し、海外需要の獲得につなげるため、「メディア・コンテンツ」「食・サービス」「ファッション・ライフスタイル」「インバウンド」をはじめとする様々な分野でリスクマネーを供給する。ずさんな投資、目的があいまいな投資が目立ち、2021年度までの投資額998億円に対し、309億円の累積損失を抱える。

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