タイの小規模養鶏農家が経営難 卵の不当廉売で調査要請

【タイ】タイの一部メディアが報じるところによると、小規模養鶏農家が卵の販売価格の下落によって深刻な経営難に直面している。大規模な商業農場や卸売業者が、生産コストを下回る価格で卵を販売しており、市場価格が維持できない水準まで押し下げられているという。

 タイ中部の小規模養鶏農家が集まる業界団体は政府に対し、不当廉売の実態調査を求めている。飼料を含む生産コストの上昇に加え、周辺諸国での鳥インフルエンザの発生を受けて防疫や衛生管理の強化に伴う費用負担が増し、小規模な農家は価格面で太刀打ちできないとしている。

 卵の公定参考価格は現在、サイズ混合で1個3.20バーツ。推定される生産原価は3.22バーツと、すでに原価を下回っている。実際には、小規模農家の販売価格は参考価格よりさらに20~30サタン(0.2~0.3バーツ)低く、売れば売るほど赤になる状況だという。

 大規模な商業農場や卸売業者による生産コストを下回る価格での販売は、価格形成の仕組みを大きく歪めて卵産業全体の安定を脅かしていると指摘される。需給の均衡を回復するためには、養鶏場に対して鶏の更新時期に関する指針の順守が必要で、大規模農場は飼育開始から78週、小規模農場は80週で産卵鶏を更新することが定められている。

 専門家は、「タイには適正な価格で十分な量の卵を供給できる生産能力があるにもかかわらず、生産実態を反映しない低価格での販売がはびこっている」と説明。「長期化すれば小規模農家の廃業が相次ぎ、産業構造に深刻な影響を及ぼしかねない」と警鐘を鳴らしている。

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