国境紛争で影響を受けたサトウキビ農家を支援 委員会が対策発表

【タイ】サトウキビ・砂糖委員会事務局(OCSB)が、タイ・カンボジア国境紛争の煽りを受けて農作業が滞っているサトウキビ農家への支援策を発表した。対象は東部サケーオ県、東北部ブリーラム県、スリン県、シーサケート県、ウボン・ラーチャターニー県の5県。

 これら5県では、26万ライ(1ライ=1600平米)超の農地への立ち入りが困難で、製糖工場向けの収穫や出荷ができない状況が続いている。OCSB事務局は、「昨年12月下旬に工業省、製糖工場、サトウキビ農家が会合を開き、状況を注視すると共に支援策を講じることで合意した」と説明した。

 5県はいずれもタイ有数のサトウキビ生産地で、世界有数の砂糖輸出国としてのタイの地位を支える重要な役割を担っている。同地ではスリン・シュガー社、イースタン・シュガー・アンド・ケーン社、コーンケーン・シュガー・インダストリー社傘下のニュー・クワン・スーン・リー製糖会社の3工場が操業している。

 短期的な対応として、OCSBは関係政府機関、製糖工場、農家による合同委員会を設置し、被害状況の調査や情報更新、リスク管理計画の策定を進める。製糖工場には、生産者向けの支援策をまとめるよう指示が出されているという。

 中期的には、戦闘で飛来したまま残存している可能性がある不発弾の確認を進める。各県知事には、農家が不発弾を発見しやすいよう、サトウキビ畑の管理焼却(野焼き)を認めるよう要請する。

 治安当局によって農地への立ち入りが制限された場合、影響を受ける農家は債務返済猶予を含めた経済的な支援の対象となる。長期的には、土壌や農地の回復を重視した対策を進める。OCSBは、混乱が続く中でもタイ全体のサトウキビ生産および製糖事業の安定を維持できるとの見通しを示している。

 2025~2026年産の製糖期は2025年12月1日に始まっており、サトウキビ生産量は9000万トン、砂糖生産量は1100万トンが見込まれる。

タイのサトウキビ畑 写真:newsclip

 

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