【タイほか】オンライン旅行サービスを手がけるTrip.comは、同社が保有する検索・予約データや利用者の評価・レビューを人工知能(AI)で分析したランキング「Trip.Best」を基に、2025年における日本人の海外旅行先ランキングと旅行動向を公表した。タイなど日本から近距離に位置する都市への人気が引き続き高いことが分かった。
同分析によると、日本人の海外旅行先としてソウル、香港、バンコクの順で人気が引き続き高い。価格面や移動の負担を抑えつつ、満足度の高い体験を求める傾向が強まっているもよう。4位以下は、上海、台北、シンガポール、釜山、バリ、龍仁(韓国)、春川(韓国)。
上位10都市以外では、ベトナムのダナンでホテルの閲覧数が前年から122%増加したほか、ホーチミンが89%増、タイのプーケットが52%増となるなど、東南アジア地域の一部都市での関心の高まりがみられた。
旅行内容に関しては、観光地を「見る」ことよりも、現地での体験を重視する傾向が強まっている。特にタイでは、「お得感」「異文化体験」「リゾート」といったキーワードで検索する日本人旅行者が前年同期比で71%以上増加した。チェンマイでの寺院での瞑想体験や、プーケットでの料理教室など、現地文化に触れる活動への関心が高まっているという。
また、旅行を心身のリフレッシュの機会と捉え、自然環境や静けさを重視する動きも見られる。これらに関連する検索キーワードは前年同期比で48%増加した。食に対する関心も高く、日本人旅行者の約6割が海外旅行の情報収集において飲食関連のコンテンツを閲覧しており、郷土料理や地元の飲食店、スイーツ、カフェなどが旅行計画の重要な要素となっている。
利便性を重視する傾向も顕著で、直行便の有無、日本語対応、清潔さ、移動のしやすさといった点が旅行先選びに影響している。これらに関連するタグのクリック率は前年同期比で68%増加した。
宿泊施設については、予約までの検討期間が平均6.4日と長期化している。検索では「温泉ホテル」が最も多い一方、実際の予約では「眺望の良いホテル」が14%と最も高く、景観の良さが決定要因となっていることが分かった。
観光アクティビティでは、「おすすめ観光スポット」が閲覧数の62%を占め、次いでナイトライフ、ファミリー向け、温泉が続いた。予約は旅行直前に行われる傾向が強く、アプリ内での当日予約が38%、前日予約が16%を占めた。行き先や体験内容は時間をかけて検討する一方、実際の予約は直前になるケースが多いとしている。
Trip.comは、こうしたデータ分析を通じて、日本人旅行者の行動や関心の変化を把握し、今後のサービス提供に生かしていくとしている。




















