タイで交通安全文化醸成へ トヨタ・モビリティ基金とホンダが共同キャンペーン開始

【タイ】一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(理事長:豊田章男)と本田技研工業(社長:三部敏宏)は11月17日、タイで交通安全文化の定着を目指す共同キャンペーン「KUB-DEE-DAI-DEE(良い運転をすれば良いことが返ってくる)」を始めた。両社は交通事故死傷者ゼロを掲げる業界横断の枠組み「タテシナ会議」海外分科会で連携しており、日本での活動の知見を海外に広げる取り組みの一環となる。

 背景には、急速な経済発展に伴う交通事故の増加がある。タイでは四輪車と二輪車の事故が特に若年層で深刻化しており、従来の教育・啓発活動だけでは十分な効果が得られていない。今回のキャンペーンでは、SNSなどのオンライン媒体を活用し、若い世代に交通安全への意識向上や行動変容を促すことを狙う。バンコク都庁も認知向上などの面で支援する。

 キャンペーンは、タイ社会に根付く「TAM-DEE-DAI-DEE(良いことをすれば良いことが返ってくる)」という伝統的な考え方を交通安全行動に結びつける試みだ。四輪車と二輪車が互いに思いやりを持つことを前提に、死角確認や車間距離保持といった日常の小さな行動を「KUB-DEE(良い運転)」として取り上げ、事故防止に直結する行動を重点的に啓発する。

 視覚的な訴求も重視し、タイの若手アーティスト、サラーウット・パーンヌー氏と協力して現代的な表現と伝統的モチーフを融合したビジュアルを制作。特設サイトには、利用者が意識したい運転行動を選び、壁紙や短い動画を生成してSNSで共有できる仕掛けも設けた。

 キャンペーンはまずバンコクとチェンマイで展開され、SNSや屋外広告、特設サイト、バンコク都庁のメディアを通じて広く発信する。2026年にはトヨタ・モーター・タイランドやホンダタイ基金と連携し、活動を拡大する予定だという。

キャンペーン特設サイト:リンク

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