タイの9月の自動車生産台数12万8104台、EV急伸の寄与続く

【タイ】タイ工業連盟(FTI)自動車部会の発表によると、2025年9月の自動車生産台数は前年同月比4.77%増の12万8104台だった。電気自動車(EV)の国内での組み立てが増え、これまで輸入に依存していた車種を国産化したことや、一部メーカーによる新型PPV(Pick-up Passenger Vehicle、ピックアップ派生SUV)の投入が寄与した。1~9月累計は前年同期比4.63%減の107万5801台で、相変わらずの前年比割れとなった。

 9月の自動車(新車)販売台数は、前月同月比23.82%増の4万8350台と急増した。EVの価格低下や技術向上が需要を押し上げた。ピックアップトラックは、金融機関による融資審査の相変わらずの厳しさや、国内経済の低迷、生活費の高騰、依然としてマイナス圏内の工業生産指数などを背景に4.0%減少した。1~9月累計では前年同期比2.12%増の47万7969台だった。

 9月の完成車輸出台数は、前年同月比2.33%減の8万5625台だった。乗用車の輸出が26.49%減少したことが主因。輸出先国の規制に対応するため、一部の旧モデルの新モデルへの切り替えが必要となった。1~9月累計は前年同期比8.46%減の70万8694台だった。

 FTI自動車部会のスラポン・パイシットパタナポン顧問は、EVの国産化や新型車投入が生産・販売を下支えした点を評価。ただ、累計では依然としてマイナス基調が続き、特に輸出は規制対応やモデル切り替えの影響で回復に時間を要するとの見方を示した。今後については、EVの生産拡大と新型車効果が国内市場を支える一方、輸出は各国の環境規制やモデル刷新の進展次第で不透明感が残ると分析している。

写真:newsclip

 

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