【タイ】タイ商務省が9月に発表したところによると、タイからの犬・猫用ペットフードの輸出が大きく伸び、2024年は前年比29%増の26億7703万米ドルに達した。タイは世界市場でシェア10%を占め、長年首位を維持するドイツに次ぐ第2位の輸出国となった。
ペットフードの世界市場は2024年、264億6628万米ドルにまで拡大した。主要輸入国はドイツ、米国、英国、ポーランド、カナダなどで、欧米諸国が高水準を維持している。ドイツは輸出入とも世界トップクラスの貿易額を誇るもよう。
タイの輸出先では米国が最大の市場で全体の約3割を占め、前年比47%増と大幅に拡大した。次いで日本、豪州、イタリア、マレーシアなどで、これら上位5カ国で輸出全体の6割以上を占める。
成長の背景には、世界的なペットブームや高齢化・少子化によるライフスタイルの変化があるとしている。高齢者の単身世帯や子どもを持たない若年層の増加により、ペットを家族の一員とする傾向が強まっている。また、健康志向の高まりから栄養価の高いプレミアム製品や機能性フードへの需要が拡大しており、タイ製品は品質と多様な商品開発力を強みに市場での存在感を高めているという。
商務省は、環境に配慮した包装や高付加価値な商品の開発を進めることで、欧米やアジアの主要市場だけでなく、中東や東欧といった新市場でも競争力を高められると見込んでいる。