【タイ】インドネシアの格安航空ライオンエアのタイ法人「タイ・ライオンエア」は、年内にもボーイング737型機を2機、受領する見通しだ。中国や日本といった需要の高い路線を強化する。一方で、中国人をはじめとする外国人入国者の減少を受け、当初計画していた40機体制には届かないとしている。
同社は現在、ボーイング737-800型21機、同900ER型9機の737シリーズ30機を運航中。年内に737-900型2機を追加し、来年はさらに4~5機を導入。これにより新規路線の開設を図る。
タイ・ライオンエアは、「前年と比較して外国人入国者数は減少しているが、繁忙期に備えて座席供給力を増強している」とし、「タイの観光業界は最終的に回復すると楽観視しており、全体の需要動向に合わせて機材導入計画を調整した」と述べている。
第4四半期には、バンコク~札幌(高雄経由)、バンコク~大阪(台北経由)、バンコク~重慶、バンコク~天津の4国際線に、新たに就航する。年末までに中国10都市、インド8都市、日本5都市、国内17都市の体制を整える。中国線は、タイ人利用者の比率がコロナ禍前の30%から現在50%にまで高まり、需要を支えている。また、韓国への新規参入も視野に入れているという。
今年の輸送実績は2機の新規調達を含めて700万~800万人を見込み、前年の25機体制での400万~500万人を大きく上回る。ただ、20路線超を展開していた中国線の供給回復が遅れており、コロナ禍前の1000万人超には届かないという。
航空各社の機材拡充が続く中、今年の第4四半期は運賃競争ではなく、サービス内容や定時運航率での競争になっていくと、同社は予想している。