タイ中銀、モバイルバンキング規制強化 高齢者や子どもへの送金で上限

【タイ】タイ中央銀行(BOT)が、銀行アプリなどを通じたモバイルバンキングでの送金について、15歳未満および65歳以上の利用者に対し、1日当たり5万バーツの送金上限を設けた。金融詐欺の抑止を目的とした措置で、新規利用者には既に適用されており、既存利用者も年末までに順次対象となる。

 BOTは新たな顧客分類基準を導入し、利用者のリスク属性に応じて送金上限を設定する。利用者は「不正の疑いがある者」「一般利用者」「リスクの高い層」の3区分に分けられ、15歳未満と65歳以上はリスクの高い層に該当する。

 送金上限は、1日当たり5万バーツ未満(S)、20万バーツ未満(M)、20万バーツ超(L)の3段階に分類される。各銀行が本人確認とリスク評価に基づき、顧客ごとに上限を設定する。金融履歴が良好な利用者は制限の影響を受けない。上限の引き上げを希望する場合は、銀行に申請することが可能だという。

 タイ国内のモバイルバンキング利用によるスマホでの銀行取引は、1200万人を超える。金融詐欺は深刻な問題で、BOTによると今年上半期には15歳未満の子どもが関与した詐欺事案が7万8468件、65歳以上の高齢者が被害に遭った事案は41万6453件に上ったという。

 今年6月の1カ月間は、全国の送金詐欺事案が2万4500件に達し、被害総額は28億バーツ(127億円相当)に上った。1件当たりの平均被害額は11万4000バーツで、最大の被害額は1件で490万バーツに及んだ。

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