【タイ・米国】タイから米国への輸出製品に対する19%の相互関税が8月7日に発効する。米国からタイへの輸入品は今後、1万品目以上がゼロ関税になると報じられている。
タイ・メディアの報道によると、今回の相互関税の発効でタイの経済成長率は来年、最大1.5ポイント押し下げられる可能性がある。1万品目以上がゼロ関税となるが、豚肉やトウモロコシなどの一部品目には、国内農業を保護するべく、段階的な税率や輸入枠などの規制が設けられるもよう。
豚肉の輸入は国内消費の1%未満に制限され、ラクトパミン(筋肉増強剤)を含まないことを条件としている。トウモロコシも、国内の飼料工場が国産品を優先的に消費した後、米国からの輸入が認められる。その時期も、タイの収穫期を避けた11月〜3月に限定される見通し。
タイ政府による今回のゼロ関税の決定は、これまで長く続いた対米輸出黒字を是正することが目的。商務省によると、米国はタイにとって第1位の輸出先、第4位の輸入元で、2024年の輸出額は549億5620万米ドルで、輸出総額の18%を占めた。米国からの輸入は195億2860万米ドルで、輸入総額の6%。対米貿易収支は過去5年間、黒字を維持してきた。