日系高機能バイオ炭開発のTOWING、タイ国内5カ所で農業実証

【タイ】高機能バイオ炭開発の「株式会社TOWING」(本社:愛知県名古屋市)が、タイ国内5カ所で同社製品「宙炭(そらたん)」を活用した農業実証を開始した。農地への炭素貯留を推進すると共に、有機肥料の利用を最大化することで土壌の健全性を高め、地域農業全体の持続可能性向上に貢献することを目指す。

 同実証は、大規模栽培を行うトウモロコシ、サトウキビ、キャッサバのほか、チンゲンサイやダイコンなどの園芸野菜を対象作物としたもの。宙炭による土壌改良、化学肥料の使用量削減、収量向上、農地への炭素貯留効果などを検証するため、各大手企業および既に覚書を締結しているタイの「カセサート大学」カンペンセーン校と連携し、タイ中部・東部・北部の5カ所で同時に進められている。将来的に、さらに5カ所で同様の実証を行う。

 使用するバイオ炭は、タイ王室系複合企業サイアムセメント・グループ(SCG)傘下の「SCG Cement」から原料を調達。TOWINGの技術で付加価値を高めているという。

 TOWINGによると、タイでは砂質土壌における土壌劣化が課題となっている地域が存在。砂糖やキャッサバなどの農産物加工企業を中心とした独自の農業サプライチェーンが確立されており、農業残渣の有効活用や環境負荷低減への関心が高まっている。野焼きなどで発生する微小粒子状物質(PM2.5)などの大気汚染問題解決の一環としても、農業残渣を原料とするバイオ炭の活用に期待が寄せられているという。

 TOWINGは、「サステナブルな次世代農業を起点とした超循環社会を実現する」をミッションに掲げる、名古屋大学発のグリーン&アグリテックスタートアップ。地域の未利用バイオマスの炭化物をもとに、同社が保有する土壌由来の微生物群を効率的に選別・培養する技術を用いて実現した、土壌改良資材である宙炭の開発、製造、販売および関連技術サービスの提供を行っている。

カセサート大学カンペンセーン校(中部ナコーン・パトム県)における圃場試験の一部

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