【タイ】タイの大手商業銀行カシコン銀行傘下のカシコン・リサーチセンターの調査結果によると、タイでは2023年から2024年にかけての2年間で、月当たり100社超の工場が閉鎖した。同期間で新設工場から閉鎖工場を引いた純増数は月当たり52社で、2022年から2023年にかけての同127社から半減以下となった。
景気低迷の影響を最も受けているのは中小企業。2024年に閉鎖した工場の資本金総額は478億3000万バーツで、2023年から4分の1近く減少しているが、同2年のそれぞれの閉鎖数が僅差なことから、昨年は閉鎖が中小に集中していたことが見て取れるという。業種別としては、2024年は自動車、電子機器、鉄鋼、家具、アパレルなどの業績低迷が目立った。
雇用規模だけに絞れば、2024年は工場新設で1社当たり平均36人が雇用され、閉鎖工場で1社当たり平均28人が解雇されており、雇用創出は上向いている。ただ、全国的に就労時間が短縮されており、労働者の収入増につながっているか否かは未知。
同センターは、タイの工業生産指数(IPI)の推移を例に挙げ、2025年も過去同様の傾向が続くと見ている。IPIは過去9四半期連続で下落、2024年第4四半期は前年通年比で2.0%縮小となった。