【再録・タイ人あるある恐怖体験】⑦ 呪われたガジュマルの樹

♀48歳 ピッサヌローク出身バンコク在住

 25年も前、私が久しぶりに実家に帰ったときの話。実家といっても、両親は私が家を出てから引っ越したので、なじみのある場所ではない。バンコクから実家の町まで夜行列車で行き、朝暗いうちに駅に着いて外に出る。

 列車から下りてくる乗客を待って、サムロー(輪タク)のおじさんたちがわっと集まってくる。ほかの乗客数人はそれぞれ行き先を告げ、サムローに乗って行く。

 「ワット・タマチャックの裏手」。私は実家の場所を説明するのに、近所にある寺院の名前を告げた。その途端、サムローのおじさんたちはすーっと散らばっていく。残ったのは年配の1人。「あそこは幽霊が出るからな」とブツブツ言っている。

 そのおじさんは何とか行ってくれることになった。寺院の境内に立つ、巨大なガジュマルの樹をみんな怖がっているという。その樹に何かしらの霊が取り憑き、その下を通ると幽霊を見るという噂が広まっているらしいのだ。そこを通らないと自宅に着けず、嫌でも行かなければならない。

 駅からの道を進み、境内に入る。例のガジュマルの樹の下を通って裏手に抜ける道をたどる。樹に近づいたとき、風も吹いていないのに「ザワザワっ」と樹が大きく揺れた。まるで誰かが樹の枝の上にいて、わざと揺らしているようだった。サムローのおじさんは「だから嫌だと言ったんだ」と文句をいいながら、急いでその下を通り抜けた。

再録:過去に掲載して人気が高かったコラムを再アップしています。

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