言わずと知れた、タイで最も知られた祭りの一つ。本来は4月13~15日の三連休だが、例年どおり週末や特別休暇が足されて今年も5連休となる(12~16日)。さらに、2023年12月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録が決定されて初の開催ということで、行政や団体といった単位で4月1日からさまざまなイベントが企画されている。バンコク近郊や東部一帯で催されるワンライ(いわゆる一週間遅れのソンクラーン)も踏まえて、4月第3週までタイのどこかしらの町でイベントが続く見込み。
タイ正月としてのソンクラーンについて、タイ政府観光庁(TAT)は「太陽が黄道を12カ月かけて通り牡羊座(白羊宮)に戻る時期」といった説明をしている。占星術の牡牛座が始まる日が元日とされ、13日というタイミングは(日本人に馴染みが深い)トロピカル方式ではなく、サイデリアル方式を根拠にしている。
誰かれ構わず水を掛け合う祭りの方は、70年代後半もしくは80年代に入ってから観光促進で始まり、瞬く間に広がって無礼講と化したという。ただ2010年辺りから大人しくなりはじめ、バンコクでは地元タイ人に代わって外国人旅行者が楽しむようになり、実施地区も限定されてそこかしこで水を掛け合う光景はなくなった。今年のソンクラーンは特に、外国人旅行者の誘致が最優先という感がある。