廃止鉱山からカドミウム1万トン以上無許可移送、転売目的か 

【タイ】タイ北部ターク県の亜鉛鉱山で排出されたカドミウム約1万3000〜1万5000トンが当局の許可を得ないまま移送されたことが明らかになり、タイ工業省、警察などが調査している。

 カドミウムは2017年に閉山した亜鉛鉱山の処理施設から転売目的で持ち出されたとみられる。当局は9日までに、バンコク西郊サムットサコン県の倉庫3カ所と東部チョンブリ県の倉庫1カ所で約1万1️500トンのカドミウムを押収し、タイ在住の中国人の男2人を危険物を違法に貯蔵した疑いなどで逮捕した。このうちの1人は1991年からタイに住み、5年前から不法滞在していた。警察は2人がカドミウムを無許可で入手して中国企業に売却するところだったとみて、処理施設から持ち出された経緯などを捜査している。

 カドミウムがみつかったサムットサコンの倉庫1カ所では、保健当局が従業員11人の血液検査を行ったところ、8人から基準値を超えるカドミウムが検出された。当局はカドミウムがみつかったすべての倉庫で、従業員と周辺住民の血液検査を実施する予定だ。

写真提供、タイ工業省

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