バンコクのホテル前に奇怪な黒像

【タイ】今月9日、バンコク都内のラチャダピセーク通りとラープラーオ通りの交差点にあるホテル「ザ・バザール・ホテル」前に、翼と牙を持つ黒い人型の高さ5メートルの坐像が設置され、オカルト好きなタイ人の間で大きな話題を呼んでいる。

 像は「クルーカイケーオ」と呼ばれ、ホテルの現経営陣が設置した。「クルーカイケーオ」の由来や経営陣の意図は不明だが、経営陣は「像を設置してから宿泊率が上昇した」としている。

 インターネット交流サイト(SNS)では、「クルーカイケーオ」が超自然的な力を持つと信じる人々が宝くじの当選番号のお告げを得るために、子犬、子猫をいけにえにする儀式を行おうとしているといううわさが流れ、異端信仰を助長するとして、仏教団体が像の撤去を要求したり、動物保護団体が動物に危害を与えないよう警告する騒ぎとなった。18日にはバンコク都庁の幹部が現場を視察したが、像は私有地に建てられ、法令違反はないとして、当面は静観する姿勢を示した。話題に便乗する形で、ネットでは様々な「クルーカイケーオ」像が売られ、人気を集めている。

 こうした中、「ザ・バザール・ホテル」を所有するスワンルムナイトバザール・ラチャダピセーク社の筆頭株主であるタイ人男性、パイロート・トゥントーン氏が22日、中央破産裁判所に「クルーカイケーオ」像の撤去を求める訴えを起こした。パイロート氏はスワンルムナイトバザール社の株式80%を所有するが、同社が経営破たんして事業更生手続きの適用を受けたため、 1年以上前に「ザ・バザール・ホテル」の経営から離れたという。

クルーカイケーオ像(写真提供、バンコク都庁)

クルーカイケーオ像(写真提供、バンコク都庁)

クルーカイケーオ像(写真提供、バンコク都庁)

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