【タイ・中国】在タイ中国大使館は、中国人を狙った誘拐事件や偽の高額求人を利用した人身売買事案が相次いでいるとし、タイに渡航する中国人に対して安全対策を徹底するよう改めて注意喚起した。
中国大使館は10月16日付の注意喚起で、事前に行程を十分計画し、認可を受けた交通機関や事業者を利用するよう呼びかけた。他人が手配した移動手段の利用には注意し、知人や見知らぬ人物からの無料送迎は受けず、目的地や移動ルートの急な変更を拒否し、家族に常に居場所を知らせておくよう求めている。大使館は今年4月にも同様の注意喚起を行っていたが、今回は芸能関係者やインフルエンサーがタイに誘い出された後、人身売買組織の被害に遭うケースへの懸念を強調した。
中国人旅行者を巡っては、ネット有名人や旅行者がタイで誘拐され、ミャンマー側の詐欺拠点に連れ去られる事件が相次いでいる。2025年1月には、中国人俳優がスワンナプーム空港に到着後に拘束され、そのままミャンマーの詐欺拠点に連れ去られる事件が発生した。以降、同様の事件が相次いで発覚し、中国人のタイ入国者数の急減を招いた。
中国人を狙った人身売買や特殊詐欺への加担強要は現在も続いているもよう。タイの複数のメディアによると、ミャンマー国境のターク県で10月10日に逮捕されたタイ人の男(30)は、中国人3人を偽の求人でタイに誘い出し、国境地帯に移送した人身売買組織の一員とみられる。撮影の仕事でバンコクを訪れた中国人カメラマン(34)も10月に行方不明となり、家族はタイで捜索中に身代金要求を受けたことから、中国とタイの当局に誘拐の疑いで届け出た。
別の事案では、上海の音楽教師が9月25日にタイで消息を絶ち、10月1日に家族が交流サイト(SNS)で情報提供を呼びかけた。これらの被害者はいずれも在タイ中国大使館の支援を受け、中国に帰国したとされる。
タイは中国人旅行者の回復を最重要課題の一つに位置付け、ビザ免除措置や中国市場向けの観光プロモーションを積極的に展開している。今年は中国人入国者数が回復基調にあり、タイ観光業をけん引するとの期待が高まっていた。



























