タイ投資委員会LTRビザ、4年間で1万2000人超を誘致 日本1300人超

【タイ】タイ投資委員会(BOI)は、2022年9月に導入した長期居住者向け特別査証(LTRビザ)の運用開始から4年で、世界各国から高い技能や資産を持つ外国人1万2011人を誘致し、総額430億バーツ(2000億円相当)超の経済効果を生み出したと発表した。LTRビザは、高度人材、投資家、高所得層を呼び込み、将来産業を支える人材基盤の強化や国内消費の拡大につなげる重要な施策として位置付けられている。

 ナリット・トゥートサティーラサック事務局長によると、LTRビザによる経済効果は、査証手数料、発給対象者の国内消費、直接投資、高度専門人材による税収などを基に試算したもので、1人当たりの平均経済効果は360万バーツに上る。

 発給対象1万2011人の内訳は、高度専門人材が1779人、海外企業に勤務しながらタイで働くリモートワーカーが1043人、高資産層が737人、富裕な退職者が4561人、家族帯同者が3891人だった。申請者は資産規模、所得、投資実績、職務経験、医療保険などの要件を満たし、関係機関による厳格な審査を受ける。

 国籍別では、米国出身者が2400人超で最多となり、日本が1300人超、英国が1000人超で続いた。特に日本人に関しては、「高度専門人材の比率が高く、世界的な人材獲得競争が激化する中でも、タイが専門人材や投資家から継続的に選ばれている」と評価している。

 高度専門人材とリモートワーカーの承認者のうち、54%が経営幹部、36%が専門職で、残りは技術者だった。LTRビザが企業の意思決定や事業戦略を担う経営層と、高度な知識や経験を持つ専門人材の誘致に寄与していると説明した。

 LTRビザはまた、富裕層、退職者層、その家族を通じて海外からの購買力を国内に取り込み、住宅、観光、医療、飲食、交通、各種サービス分野で継続的な消費を生み出しているとした。これにより、国内事業者の収益拡大や経済全体への波及効果が期待される。

 BOIは、将来の成長産業への投資拡大に合わせて、LTRビザを高度人材誘致の中核的な制度として活用する方針。半導体・先端電子機器、デジタル・AI、ヒューマノイドロボット、航空、バイオテクノロジーなどの分野では、高度な専門知識を持つ人材需要が高まっており、海外の経営人材や専門家の確保が投資誘致や技術導入の競争力向上につながるとしている。

 2026年9月には、申請件数の増加に対応するため、LTRビザの新オンライン申請システムを導入。外務省領事局、労働省雇用局、財務省国税局、タイ警察入国管理局の4機関とデータや手続きを連携し、申請から審査までを一元化することで、審査の迅速化と手続きの利便性向上を図る。

ナリットBOI事務局長 写真:タイ首相府

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