【タイ】保健省保健局は、廃棄物選別施設や埋立処分場がある東部プラーチーンブリー県シーマハーポート郡で、洪水による滞留水から悪臭や油膜のような虹色の光沢が確認されたことを受け、化学物質汚染の有無を監視している。同県には複数の工業団地があり、多くの日系メーカーが入居している。
同県天然資源環境事務所は、「産業廃棄物埋立地の水が工場外にあふれ出ている」との通報を環境保護ボランティアネットワークから受け、9月28日から現地調査を続けている。保健局は、洪水がリサイクル施設、廃棄物選別施設、産業廃棄物処分場を経由したことで、飲用水や生活用水の水源、土壌、大気が有害化学物質の影響を受ける恐れがあるとし、警戒を強めている。
監視対象として、使用済み潤滑油や溶剤、カドミウム、鉛、水銀、クロムなどの重金属、酸性・アルカリ性物質や腐食性化学物質、揮発性有機化合物(VOC)、有害残留物を挙げている。 虹色の油膜や刺激臭は使用済み潤滑油や溶剤に由来する可能性があり、ベンゼンやトルエンなど中枢神経系に影響を及ぼす物質を含む場合がある。一部には発がん性が指摘される物質も含まれる。
重金属は電子廃棄物由来とみられ、環境中に流出した場合には土壌や水源に蓄積し、食物連鎖を通じて人体に取り込まれる。酸性・アルカリ性物質や腐食性化学物質は皮膚障害のほか、水生生物や農作物にも被害を及ぼす。揮発性有機化合物や有害残留物は、高濃度または長期間の曝露によって呼吸器系や肝臓、腎臓に悪影響を与えるおそれがある。
保健局はプラーチーンブリー県公衆衛生事務所などと連携し、急性症状が出た住民を対象とする巡回医療チームの派遣を提案。化学物質による皮膚炎や呼吸器症状への対応を想定しており、乳幼児、高齢者、妊婦、慢性疾患患者に特に注意を呼びかけている。
周辺住民には滞留した洪水への接触を避けるよう要請。やむを得ず冠水区域に入る場合は厚手のゴム長靴を着用し、接触後は直ちに石けんで十分に洗浄するよう求めている。また、河川や池などの自然水源、地下水、洪水を含む水については、安全が確認されるまで入浴や洗濯、清掃、農業用水に使用しないよう勧告した。
強い化学臭を感じた場合は速やかにその場を離れ、換気の良い場所に移動するよう呼びかけている。皮膚の発赤やかゆみ、水疱、目の痛み、めまい、吐き気、呼吸困難などの症状が現れた場合は迅速な医療機関での受診が必要とされる。また、地方自治体などに対し、地域の水源の安全が確認されるまで、住民向けの飲用水や生活用水の確保を急ぐよう要請した。
写真:プラーチーンブリー県広報局フェイスブックより



























