【タイ】政府は、世界的に高い評価を受けるタイ料理の魅力を文化資源として強化し、観光と地域経済の活性化につなげる取り組みを進める。英ブランド価値評価会社「Brand Finance」による各国ソフトパワー評価ランキング「Global Soft Power Index 2026」で、タイが「世界が愛する料理」分野で7位に入ったことを受け、食文化の多様性を国内外に発信していく。
政府は文化省が推進する「The Lost Taste」プロジェクトを中心に、地域で受け継がれてきた食文化の保全と価値創出を進める。「タイ料理は世界的に認知されているが、地域ごとに多様な食文化があり、その背景には素材、知恵、暮らし、物語がある。これらを体験として発信することで、地域の価値を高められる」としている。
文化省は、消滅の危機にある231種類の郷土料理を調査・記録し、素材、調理法、地域の物語などを含む食の知識を体系化。これを観光体験や地域産業の創出につなげることで、地元の事業者やコミュニティの収入向上を図る。
郷土料理の価値を評価・認証する「Thailand Best Local Food」基準を策定し、専門家7人の知見と消費者400人以上の意見を反映して文化的背景、地元食材、伝統性を重視した評価体系を整備。認証は、伝統の味を守る「Classic」と、地域性を生かしつつ現代的に再構成した「Creative + Innovation」の2部門に分けて行う。
プロジェクトでは、郷土料理を体験できるモデル店舗5店を選定し、料理と物語を組み合わせた体験型メニューを提供する。9月には特別講座「The Lost Taste Special Course」を開催し、国民や外国人が「失われた味」を新しい形で体験できる機会を設けるほか、「5店舗・5シリーズ」の映像コンテンツを公開し、地域食を巡る旅への関心を高める。
Global Soft Power Index 2026では、タイは「訪れたい国」分野で世界12位となり、前年から2つ順位を上げた。首相府は「食と文化を観光体験として結びつけることで、旅行者の選択肢が広がり、地域への支出が増え、コミュニティに収益が還元される」とした。




























