【ミャンマー】ミャンマーの人権状況を調査する国連特別報告者が17日に発表したリポートによると、ミャンマー軍による兵器関連の輸入額は2021年2月の軍事クーデター以降、10億ドル以上に上る。主に天然ガス、石油の輸出で得た外貨を武器購入にあてている。
兵器関連の輸入額はロシアのサプライヤーからが4億600万ドル、中国のサプライヤーからが2億6700万ドル、シンガポールのサプライヤーからが2億5400万ドル、インドのサプライヤーからが5100万ドル、タイのサプライヤーからが2800万ドル。
国連特別報告者はシンガポール政府がミャンマーへの武器輸出を禁止していると指摘し、シンガポールの指導者に対し、武器輸出を取り締まるよう訴えた。
ミャンマーでは2020年11月に総選挙が実施され、アウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相率いる与党・国民民主連盟(NLD)が勝利した。選挙で大敗したミャンマー軍は翌2021年2月にクーデターを起こし、アウン・サン・スー・チー最高顧問ら政権幹部の身柄を拘束し、実権を掌握。その後、クーデターに抗議する市民らを武力で弾圧し、これまでに数千人を殺害したとみられる。4月11日には中部ザガイン地方域の民主派が掌握する村をミャンマー軍が空爆し、子ども40人を含む170人近くが殺害された。