【タイ】タイのメディアが不動産コンサルティング会社「Cushman & Wakefield Thailand」の市場調査として伝えるところによると、バンコク首都圏の土地の売り出し価格が今年に入り伸び悩んでいる。景気低迷によるコンドミニアム市場の急速な縮小を背景に、買い手が強気の値引きを求めるケースが増え、一部では最大40%のディスカウントを提示される事例も出ているという。
バンコク首都圏の土地価格はこれまで、コンドミニアム開発の需要に支えられ、毎年のように二桁台の上昇を続けてきた。開発業者同士が長年にわたって用地取得を競い合った結果、土地価格が押し上げられてきたという。
そのような地価上昇はコロナ禍を境に終了し、現在は落ち着いた市場環境に移行した。在庫の積み上がり、購買力の弱さ、住宅ローン審査の高い却下率を背景に、開発業者は慎重姿勢を強めている。
バンコク都心部スクムビット通りの高架鉄道(BTS)バーンジャーク駅からウドムスック駅周辺の土地は、売り出し価格が1平方ワー(4平方メートル)あたり90万〜100万バーツと高水準だが、実際にはコロナ禍前から60万〜70万バーツでの取引が一般的だったという。
同地では現在、売り出し価格に対して50万〜60万バーツの逆提示が行われることもあり、最大4割の値引き交渉となる。ただ、地権者は資金繰りに逼迫しておらず、提示価格での売却に応じる例は多くないとされる。
こうした状況から、都心部の優良立地でも売り出し価格と成約価格の差が広がり、土地価格が上昇局面にないことが鮮明になっている。売却を急ぐ地権者は、当初の期待を下回る価格を受け入れざるを得ない可能性が高い。
同社は、弱含む市場で無理に売却するより、長期の土地賃貸に切り替える方が資産価値の維持に有効だと助言する。観光業の回復を背景に、ホテル開発を中心としたテナント需要が見込まれ、タイ企業だけでなく中国、日本、欧州の投資家も単独開発や合弁事業で関心を示しているという。
空き地を10〜30年の長期リースに転換すれば、所有権を維持したまま安定した賃料収入を得られるほか、遊休地として扱われなくなるため土地・建物税の負担軽減にもつながる。市場環境が改善するまで資産価値を守る手段として有効だとしている。
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