【タイ】スパジー・スタムパン副首相兼商務相は、政府が家計負担の軽減策を講じているものの、生産コストの上昇によって生活必需品の値上げは避けられないとの見方を示した。エネルギー価格の高騰や地政学リスクの影響で経済成長が鈍化し、「危機が重なっている」と現状を表現した。
4月17日に開かれた会議の後、生活必需品の価格抑制に向けて5人の閣僚と連携して全国的な低価格販売プログラムを推進していると説明。商務省は工業省とも協議し、環境負荷の低い包装材の普及策を検討。サトウキビの搾りかすや稲わらなど、植物繊維や農業副産物を活用したバイオマス素材をプラスチックの代替として促す方針を示した。
今回の会議は、政府が4月8日にプラスチック樹脂を「管理品目」に指定したことを受けて開かれた。中東情勢の悪化による原材料供給の混乱など、国際市場の価格変動から企業と消費者を守る狙いがある。政府は、主要原材料の短期的な価格管理と、持続可能な代替素材の普及という二本柱で対応する。
商務省は物価監視体制を強化するため、内部組織を再編し、国内通商局(DIT)の監視業務を補強するための追加査察官を配置する。中国、アセアン、米国、欧州など主要市場に詳しい経済専門家を加え、輸出振興局の戦略立案を支援する体制も整えた。関連省庁、民間、農業団体を束ねる「クラスター型」の連携も進める。
肥料については、価格と供給の両面で懸念があると指摘。肥料は管理品目で値上げは認めていないが、現在の在庫は5月中旬までしか持たない見通しだという。マレーシアやブルネイからの新規輸入は割高になる見込みで、価格調整が必要になる可能性がある。中東からの供給は情勢不安で不透明なため、ロシアからの調達も検討している。
一方、パーム油(瓶入り)、シャンプー、石けんなど一部生活必需品の値上げ申請が出ているが、商務省は追加資料を求めるなど慎重に審査しており、段階的な調整も視野に入れている。
スパジー副首相は、「原材料価格の上昇が反映されれば、物価は上がらざるを得ない」と述べ、今月のエネルギー価格上昇を踏まえ、インフレ圧力が強まるとの見通しを示した。
スパジー副首相 写真:ศุภจี สุธรรมพันธุ์ FCフェイスブックより
























