タイで長距離バスの電動化の兆し 2029年までにディーゼル車両から置き換え

【タイ】政府は3月30日、国内を発着する長距離路線バスについて、2029年までに現在のディーゼル車両を電気車両に置き替える方針を打ち出した。燃料費の抑制と温室効果ガス削減を目的とし、まずは首都バンコクと各県を結ぶ路線を対象に取り組みを進める。

 ピパット・ラチャキットプラカーン副首相兼運輸相は、今後4年間の第2次アヌティン政権下で、運輸省傘下で長距離バスを運営する国営トランスポート社(ボーコーソー)が保有するバスのうち、県間を走るディーゼルバスを電気バスに交換したい考えを明らかにした。次期政権は来月初めに発足し、任期は2029年までとされる。

 背景には、国際情勢の緊張を受けた昨今の国内燃料価格の高騰がある。3月26日には軽油とガソリンの価格が1リットルあたり6バーツ上昇し、商用車事業者や一般ドライバーの間で負担増への懸念が広がった。

 運輸省によると、トランスポート社が管轄する県間バスは3465台あり、首都バンコクと各地方を結ぶ路線で1日あたり220万キロを走行し、軽油の消費量は日量70万リットルを超える。電気バスへの転換により、燃料費の削減に加えて二酸化炭素排出量の抑制が期待される。政府は温暖化対策の一環として、温室効果ガスの排出と吸収を均衡させる「ネットゼロ」を2050年までに達成する目標を掲げており、従来計画より15年前倒しとなる。

 ピパット副首相は、バンコク都内の路線バスについても化石燃料から電気への切り替えを進める考えを示している。バンコク大量輸送公社(BMTA)では、電気バス1520台の調達手続きが完了しており、最初の車両は2026年内に、残りは2028年までに納入される予定だという。

 BMTAにはまた、保有車両を現在の2800台から2300台程度に削減するよう指示が出されており、軽油や天然ガス車と比べて燃料コストを6割以上削減する狙いがある。BMTAは年間8億8500万バーツの政府補助を受け、運賃の抑制と公共交通サービスの維持を担っている。

写真:タイ首相府

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