タイ政府観光庁、中東情勢受け危機対応センター設置 欠航影響の旅行者支援を強化

【タイ】タイ政府観光庁(TAT)は3月2日、中東地域の緊張の高まりを受け、航空便の欠航などで影響を受けた旅行者への支援を行うための「観光危機監視センター(Tourism Crisis Monitoring Centre=TCMC)」を設置した。中東情勢を継続的に監視するとともに、関係機関と連携して必要な対応を迅速に進める拠点とする。

 TCMCは、国内外の観光関連情報を一元的に収集・分析し、観光産業への影響を評価するほか、航空便の欠航などで足止めされた旅行者や乗客への緊急支援を調整する役割を担う。ターパニー・キアットパイブーンTAT総裁は、中東の複数国が空域を閉鎖したことを受け、海外事務所が現地の動向を継続的に報告してきたと説明。状況を総合的に分析するため、TCMCを本格稼働させたことを明らかにした。 TATは、短期・中期の対応を想定したシナリオを策定し、情報発信の管理、旅行者のケア、情勢沈静化後の市場回復策を準備する。

 初期調査では、中東市場への直接的な影響が確認されており、スワンナプーム、ドーンムアン、チェンマイ、プーケット、クラビーの各空港では、中東方面を発着または経由する国際線59便の欠航が航空会社から通知された。エミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空、ガルフ・エア、クウェート航空、エア・アラビア、フライドバイ、エル・アル航空、アルキア航空、サウジアラビア航空などで、中東地域との往来に影響が出ている。ただ、現在はイスラム教のラマダン(断食月)にあたり、例年この時期は渡航需要が落ち着く傾向にあるとしている。

 旅行者支援については、TATが空港、航空会社、関係機関と連携して対応を進めている。スワンナプーム空港では人員を増強し、支援窓口の設置や飲料水の提供、臨時待機スペースの開放を行っている。多くの航空会社が代替便までの宿泊先を手配しており、空港内に滞留する乗客は限定的だという。そのほかの空港でも、観光警察など地元機関と協力し、旅行者への支援が続いている。

 ターパニー総裁は、国内市場を担当する部門に対し、全国の関係機関と連携して足止めされた旅行者への対応を行うとともに、国内需要や他市場の喚起策を準備するよう指示。情勢が安定次第、観光地としての信頼回復策を進め、訪タイ外国人の回復を図る方針だという。TATは今後も状況を注視し、観光業界に対して正確で迅速な情報提供を続けるとしている。

 一方、観光スポーツ省のナッタリーヤー・タウィーウォン事務次官は、イスラエルとイランの対立を背景とする中東情勢の緊張が、一部の航空路線、特に同地域を経由する便に影響を及ぼしていると指摘し、状況を継続的に監視していると述べた。現時点でタイの観光全体への影響は確認されていないものの、欠航により足止めされる旅行者への支援体制を整える必要があるとした。

 同省は、観光警察やタイ空港公社(AOT)などと連携し、待機スペースや設備の提供、国際基準に沿った振替便の調整を行うよう関係機関に指示。また、TATや観光支援センターが共同で現場対応を行い、空港や主要観光地に職員を配置する。欠航や臨時便の情報をリアルタイムで確認し、正確な情報を提供することで混乱やさらなる足止めを防ぐ方針だという。観光警察(1155)、TAT(1672)といった24時間対応の相談窓口も常時稼働している。

画像:タイ政府観光庁(TAT)

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