【タイ】タイ国営石油会社PTTが、グループ各事業の競争力強化と長期的な業績向上を目的に、新たな事業パートナーの獲得を模索している。原油価格の下落で収益環境が厳しさを増す中、外部資本の導入と事業シナジーの創出を図る。
コンクラパン・インタラジェーン最高経営責任者(CEO)は、上流から下流までの事業分野で投資意欲を持つ企業との提携を目指しており、年内に一定の結論を出したい考えを示した。具体的には、東南アジア市場での事業拡大を狙う海外の石油化学大手を対象に、精製・石油化学子会社である「タイ・オイル」、「PTTグローバル・ケミカル(GC)」、「IRPC」の株式の一部売却を検討している。PTTは引き続き、これら3社の主要株主として関与を続ける。
提携先には東南アジア市場での事業ノウハウを提供する一方、相手から資本投入や経営面での知見を取り込み、財務基盤の強化につなげる。世界的な石油化学製品の供給過剰を背景に、3社はいずれもコスト削減策を進めている。
ほか、小売り・外食事業の「PTTオイル・アンド・リテール・ビジネス(OR)」が手がける電気自動車(EV)充電事業についても、投資家との協議を進める。すでにEV組立や電池製造事業からは資本を引き揚げ、現在は少数株主にとどまっている。
また、石油製品の輸送・貯蔵を担う「PTTタンク・ターミナル」について、物流分野に強みを持つインフラファンドと協議。株式の一部売却を通じた財務体質の改善を目指す。
2025年のPTTの売上高は、原油価格の下落による販売単価の低下を主因に、前年比13.9%減の2兆6600億バーツ(13兆円相当)となった。ドバイ原油の平均価格は1バレル当たり69.4ドルと、前年の79.6ドルから下落。加えて平均33バーツ台まで進んだバーツ高も、ドル建て収益を圧迫した。
一方、厳しい市場環境の中でも最終利益は901億バーツと前年並みを維持し、一定の底堅さを示した。石油・ガス開発事業は販売価格の低下が重荷となったものの、生産量は安定を保った。石油化学・精製事業では、製品マージンの縮小や価格変動に伴う在庫評価損が響いた。
小売・給油事業では、非石油分野が改善し、ORの純利益は前年比47.8%増の113億バーツに拡大。PTTは今後、事業ポートフォリオの見直しと外部との連携を通じ、収益力の回復と持続的成長を目指す。



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