【タイ・スイス】スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席したエークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相は、同会議を通じて食品大手スイス・ネスレが、「タイをインドシナ地域における戦略的拠点と位置づけ、今後も継続的な投資を進める」方針を示したと明らかにした。同社グループはタイ国内ですでに3000人を雇用しており、食品、飲料、ペットフード分野を中心に事業を展開している。
エークニティ副首相はダボス会議に出席した際、ネスレのアジア・オセアニア・アフリカ地域のレミー・エジェルCEOと面談し、同社の事業概要、製品展開、市場戦略、成長ビジョン、タイにおける投資拡大計画について意見を交わした。エジェルCEOは、「国内市場と輸出の両面を視野に入れた長期的な協力体制の構築を目指し、タイの地域拠点としての機能を強化したい」との考えを示した。
ネスレは1893年にタイで事業を開始し、現在はバンコクに地域本社を構える。国内には8カ所の製造拠点を展開し、食品、飲料、ペットフード、農産物加工品などを製造。日本をはじめとするアジア諸国、豪州、ニュージーランド、欧米およびアフリカ諸国向けに輸出している。過去5~6年間の累計投資額は280億バーツ(1400億円相当)を超える。
特にペットフード事業では、タイ法人がグローバル生産拠点としての役割を担っており、Purina(ピュリナ)ブランドを製造する大型工場2カ所が新設された。製品の9割が輸出向けで、鶏肉、植物性タンパク質、穀物、動物性油脂、植物繊維などの原材料を国内の生産者や農家から調達し、農業分野の付加価値向上と持続可能な収益確保に貢献している。
人材育成面では、ネスレがタイ政府の「Upskill & Reskill」政策に賛同し、若年層支援プログラム「Nestlé Needs Youth」や、国内大学と連携した工学・技術・先端製造分野の教育カリキュラム開発を進めている。産業界のニーズと教育現場を結ぶ「Skill Bridge」政策とも連動する。
エークニティ副首相はネスレによるタイの戦略拠点化について、「世界規模の投資家からの信頼の証であり、農産物の高付加価値化やサプライチェーンの強化、地域社会の持続可能な収益確保、人材育成など、タイ経済の潜在力を示すものだ」と述べた。その上で、政府として質の高い投資を支援し、タイを高付加価値製品の生産拠点かつ地域経済の中核として育成していく考えを示した。
また、投資委員会(BOI)に対して生産拠点の拡充、技術移転、人材育成を含む投資計画の進捗を継続的にフォローするよう指示した。























