クレーン事故受け、タイ財務省が施工業者の評価制度を前倒し導入へ ブラックリスト運用も強化

【タイ】東北部ナコーン・ラーチャシーマー県シーキウ郡で1月14日に発生した通過列車へのクレーン倒壊の事故を受け、財務省は公共工事を請け負う施工業者の管理強化に乗り出す。実績や安全管理状況を点数化する「施工業者評価制度」の導入を前倒しし、1月末までに制度整備を終える方針だという。

 アヌティン・チャーンウィーラクーン首相は今回の事故を受け、財務省傘下の会計監督局(CGD)に対し、問題のある施工業者を排除するための制度整備を急ぐよう指示した。ラウォーン・セーンサニット財務事務次官は、既存の省令を根拠に評価制度の準備を進めているとした上で、実施には追加の命令が必要で、1月末までの完了を見込んでいると明らかにした。

 評価制度では、政府と契約する施工業者を対象に、事故や重大な過失があった場合に減点し、一定期間の公共工事の受注を制限する。監督と説明責任を強化する仕組みになるという。評価制度を支える省令はすでに官報に掲載されており、1月末までに減点基準や登録取消しの条件を調達・価格委員会に諮る予定。

 新たな省令により、重大な過失で国有財産に損害を与えた施工業者については、格下げ、減点、入札参加停止が可能となる。ただ、点数制度の適用は新規入札案件に限られる。既存の工事契約については、省令施行後に事故が発生した場合は発注機関の申請を前提に登録取消しの検討が可能とされるが、減点方式は新規契約のみが対象となる。

 一方、施工業者のブラックリスト化については、公共調達・物品管理法に基づき、一定の要件を満たした場合に可能とされ、会計監督局が単独で判断することはできないという。契約を所管する政府機関が違反を確認し、会計監督局に報告した上で、委員会が要件該当性を審査する仕組みとなっている。

 ラウォーン事務次官は、「ブラックリスト制度自体は以前から運用されており、月ごとに指定が行われてきた。現場を最も把握している発注機関からの報告が出発点になる」と述べている。事故を起こした施工業者の扱いについては、現行法でも一定条件下で不適格業者と認定できるが、最終的な判断には所定の手続きを踏む必要があるとしている。

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写真:POLICE News Varieties

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