【タイ】タイ首相府によると、観光業界が回復の兆しを見せ始めている。各種キャンペーンの成果が上がり、タイ乗り入れ便が増えているという。前政権で企画されて放置状態だった外国人向けの国内無料フライトキャンペーンも、閣議に改めて提出される見込みだ。
アタコーン・シリラタヤーコーン観光スポーツ相は先に、タイ政府観光庁(TAT)の業務報告会議に出席し、国内外の観光動向を確認。TATが航空会社各社とともに展開した「Thailand Summer Blast」キャンペーンが成果を上げ、年末年始を含めて中国の西安、成都、昆明、長沙、無錫、臨沂などからのチャーター便1000便以上の運航が実現するという報告を受けた。中国ほか他地域からのインセンティブ旅行団体もすでに5万人以上が来タイ、「質の高い観光客の流入」が続いているという。
世界各地の定期便を対象とした共同販促でも、34万8000席以上を販売。オンライン旅行代理店(OTA)各社、Ctrip、Tuniu、Fliggy、Qunar、Klookなどを通じた売り上げが80億バーツを超えた。これらの施策により、各国の航空会社が新規路線を開設し、今年10月から来年1月にかけての4カ月で週170便超の増便が見込まれている。
アタコーン観光スポーツ相はまた、外国人旅行者に対して国内線航空券を無料提供するキャンペーン「Buy International, Free Thailand Domestic Flights」を閣議に改めて提出する方針を明らかにした。タイへの国際航空券を予約する外国人旅行者に対して国内線の往復航空券を無料提供するという試みで、前政権が打ち出したものの政権交代などを理由に放置されていた。来年1月から4月にかけての実現を目指す。当初は今年9月から11月にかけて実施される計画だった。
ほか、ターパニー・キアットパイブーンTAT総裁は、年末に向けての観光需要喚起について報告。チャオプラヤー川沿いで開催中の「Vijit Chao Phraya 2025」は11月9日から12月23日まで45夜連続で行われ、11月16日までに延べ18万3千人が来場し、7億バーツ超の経済効果を生んだとした。11月30日には「アメージング・タイランド・マラソン2025」が開催され、4万8000人の参加者、14億バーツの経済効果を見込んでいるという。
タイ首相府はまた、年末のカウントダウンイベントが全国規模で実施されると明らかにした。バンコクのセントラルワールド、ワンバンコク、アイコンサイアムでの大規模イベントのほか、北部パヤオ県のパヤオ湖畔での「Amazing Thailand Phayao Countdown Flora Fest 2026」や、深南部ナラーティワート県スンガイコーロクでの「Amazing Thailand Su-Ngaikolok Countdown 2026」などを紹介した。
●「Vijit Chao Phraya 2025」開催日程を変更 花火は中止しドローン演出に
●タイの「国内無料フライト」案実現へ、政府観光庁が強調
●タイでも「国内無料フライト」案浮上、外国人旅行者20万人対象





















