タイ政府、家計債務再編で小口債権1220億バーツ買い取り 1人当たり上限10万バーツ

【タイ】タイ政府は10月3日、家計債務のさらなる深刻化を防ぐため、銀行などが保有する総額1220億バーツ(5800億円相当)の小口債権を買い取り、債務者に対する返済条件の緩和を進める計画を発表した。対象は約350万人で、買い取り額は1人当たり10万バーツを上限とする。

 エークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相によると、タイの家計債務は今年6月末時点で16兆3000億バーツと、GDP比86.8%とアジアでも高水準が続く。家計債務の高さは経済成長の制約要因とされ、政府は段階的な再編で負担軽減を図る。

 同日記者会見したタイ中央銀行(BOT)のウィタイ・ラッタナーコーン総裁は、第1段階では190万口座、総額440億バーツを対象に買い取りを進める。取得後は返済条件の見直しや金利負担の軽減を通じ、債務者が返済を継続しやすい枠組みを整える。

エークニティ副首相 写真:タイ首相府

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