【タイ】バンコクの不動産調査会社「LWSウィズダム・アンド・ソリューションズ」が、2025年1月から4月にかけて在バンコク外国人446人を対象に行った住宅需要調査によると、外国人に最も人気のある居住エリアはスクムビット中心部の「アソーク界隈~プローンポーン界隈」、新興ビジネス街の「ラッチャダーピセーク通り~ラマ9世通り」、伝統的オフィス街の「シーロム通り~サートーン通り」の3地区だった。いずれも都市鉄道網へのアクセスが良く、多国籍企業や大使館が集まり、生活利便性が高い点が評価されている。
回答者の中心は日本、シンガポール、中国、英国、米国の出身者で、平均年齢は36~45歳。多くは企業経営者や管理職で、67%が「仕事や事業」を目的に滞在しており、平均滞在期間は5~10年だった。調査では、54%が賃貸を選び、46%が購入していた。賃貸を選ぶ理由は、滞在が一時的であること、転居の柔軟性、外国人が土地を所有できない法規制などが挙げられる。一方、購入する層はタイ人配偶者を持つ人や、定住・リタイアを予定する人が多い。
住居タイプではコンドミニアムが61%を占め、戸建ては39%にとどまった。外国人は土地を所有できないため、分譲マンション型のコンドミニアムが現実的な選択肢となっている。購入希望価格帯は300万~1000万バーツ、賃貸では月1万~3万バーツが中心で、30~100平米の1~2ベッドルームが主流だった。設備面では、ワークスペースやバルコニー、ジムやプールなどの共用施設が重視されている。
LWSは、国内の購買力が鈍化する一方、外国人の需要が不動産市場を下支えしていると分析。今後は「売るために建てる」から「貸すために建てる」への発想転換や、外国人投資家との共同開発が必要になると指摘している。バンコクのコンドミニアムは、かつてはタイ人向け資産だったが、いまやアジア各国からの駐在員や専門職を引きつける地域資産へと変わりつつある。
外国人にとってバンコクは、生活費の割に利便性や生活水準が高い都市と映っており、購入よりも賃貸を選ぶ傾向が強まっている。調査は、求められているのは単なる住まいではなく、ライフスタイルに合わせて柔軟に暮らせる環境であることを示しているという。
LWSは、バンコク都心部でコンドミニアムや住宅を開発する、タイ証券取引所(SET)上場の大手不動産開発「L.P.N.グループ」傘下。




















