【タイ】カンボジア国境沿いのタイ領内で、カンボジア難民を保護する目的で有刺鉄線が設けられた区画について、当のカンボジア政府が「自国領が占領されている」と非難を始めた。タイ側からは「呆れるばかり」との声が挙がっている。
カンボジアが「言いがかり」をつけているのは、東部サケーオ県コークスーン郡内の境界標46番と47番の間に位置する区画。カンボジア内戦時の1977年、タイ政府は人道的配慮から同国の難民を受け入れ、同地を避難所として提供した。内戦終結後も一部の難民は帰還を拒み、現在も居住を続けている。カンボジア政府も同地に支援物資を送り、これまで自国領のように振る舞ってきた。
同区画では、タイ陸軍が保護目的で有刺鉄線(鉄条網)を敷設しているが、カンボジア政府は今回の国境問題を機に「自国領」と主張。タイ軍が境界標を密かにカンボジア領内へ移動させ、有刺鉄線で囲って占領したと「でっち上げている」という。
タイ陸軍は「人道的配慮を仇で返された」として、自軍のフェイスブックにタイ語と英語による説明文を投稿。国内外の世論に対し、カンボジアの非常識さを訴えている。