【タイ】ペートーンターン・チナワット首相は7月1日午後2時、首相府で記者会見を開き、首相としての職務が一時的であれ停止されることを、国民に謝罪した。3日からは新たに文化相としての職務を開始する。
憲法裁判所による職務停止の命令は、判決が下されるまでの一時的なものだが、判決によってはそのまま失職する可能性もある。ペートーンターン首相は憲法裁の判断を尊重して停職を受け入れるとし、今回の発言問題で国民に不安を与えてしまったことを改めて謝罪した。
首相職務は一時停止となっても、今後も国家のために尽力すると約束し、「1分たりとも立ち止まることはない」と政治家としての姿勢を強調した。15日以内に上申書を提出する予定で、「国家の平和を維持し、我が兵が血を流すことがないよう努力した表現だったことが理解してもらえるはず」と述べた。
ペートーンターン首相は6月15日に非公式でカンボジアのフン・セン元首相と電話会談し、自軍の司令官を「向こう側(反対側)の人間」と表現。18日の釈明会見では「カンボジアにとって向こう側」という意味だったと説明したが、「ペートーンターン首相もフン・セン元首相と同じ側で話している」と受け止めるタイ国民は少なくない。