給付金もらえずに自宅に放火、経済刺激策「デジタルウォレット」問題続く

【タイ】タイの各メディアの報道によると、東北部ブリラム県チャルームプラキアット郡で10月24日、セーター前政権時より継続してきた経済刺激策「デジタルウォレット第1フェーズ」を巡り、「自分は給付金をもらえなかった」としてタイ人男性(56)が自宅に火を付けるという騒ぎが発生した。

 男性は今回の給付金を受けることができず、「自分は毎日働き詰めなのに貧乏が続いている。周囲の者は給付金をもらって日々の生活を楽しんでいる」と言いながら酒を飲んで泥酔し、泣きながら自宅に火を付けたという。火は1時間後に消し止められたが、家具など全て燃えて無くなってしまったという。

 デジタルウォレット政策はセーター前政権時に開始され、国民福祉カード(貧困者カード)を所持する1240万人および障害者250万人に対して1人当たり1万バーツ(4万5000円)が給付された。対象者は、デジタルウォレットのアプリに登録して銀行口座に1万バーツを振り込んでもらうという手順だったが、デジタル処理に慣れていない人が多かったり、間違った口座番号が申告されたり、政府や金融機関の対応のまずさもあって、「お金をもらえない」と訴える人が続出。大勢が国内各地の銀行に押しかけるといった場面が見られた。

 第1フェーズは9月末に終了され、ペートーンターン現首相は第2フェーズを年内に開始すると明言している。しかし財務省は10月21日、第1フェーズの対象者のうち6万人弱が未だ給付金を受けられていないことを明らかにしており、問題が未だに収まっていないのが現状だ。デジタルウォレット政策は第1フェーズで実質国内総生産(GDP)を0.35%押し上げると期待されていた。

 

タイの各メディアがウェブサイトに掲載している火事現場の写真

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