【タイ・カンボジア】タイの複数のメディアが報じるところによると、タイ・カンボジア情勢合同情報センター(JIC)は9月の情勢評価で、国境情勢を5段階評価のうち「レベル1.5」と判定した。「監視」を示す緑と「警戒」を示す黄の中間に位置し、通常より綿密な監視が必要な状態を意味する。一方で、「情勢は依然として平穏であり、過度な懸念を抱かないよう」国民に呼びかけている。
国防省は10月1日付の軍首脳人事に伴う指揮移行期間中も国境警備に支障が生じないよう、関係機関と軍に対し警備体制の維持を指示していた。国境地帯で再び衝突が発生する可能性を警戒しており、防衛力強化を進めている。
タイ政府は9月22日、カンボジア国境での警戒態勢強化を受け、陸海空軍の兵器調達、更新、修理などに充てる追加予算35億バーツ(165億バーツ相当)を承認した。アドゥン・ブンタムチャルン国防相によると、予算は過去の交戦で使用した装備の補充や損傷した兵器の修理、将来の作戦に必要な物資の確保に充てられる。
カンボジア側による偵察用ドローン飛行の報告を受け、国境地帯でのドローンおよび関連部品の監視強化が命じられている。軍部隊が展開する地域での即席ドローンの組み立てを防ぎ、安全保障上のリスクを低減する。治安機関や関係当局が連携し、軍事利用や戦闘支援に使用される恐れのある機材の検査や流通阻止に当たる。輸入数量、機材種類、調達先、用途、部品供給国などを記録した管理台帳の整備も求めている。
空軍の調達計画には、F16戦闘機向けのイスラエル製長距離ミサイル「ランページ」20発が含まれ、調達額は10億4000万バーツと見積もられる。ランページは射程250キロの超音速誘導ミサイルで、敵地域の奥深くにある地上目標への攻撃を可能にしつつ、航空機が危険区域に接近する必要を減らすことを目的としている。
また、貫通爆弾「MPR-500」とレーザー誘導キット「リザードIII」の導入も計画している。これらを組み合わせることで、鉄筋コンクリート構造物や防御陣地など堅固な目標に対する攻撃精度の向上を図る。タイ・カンボジア国境での過去の衝突を踏まえ、より安全な距離から精密攻撃を実施できる能力の強化を目指す。
これまでの報道によると、カンボジア軍は国内外の実業家の資金支援を受けて防空壕を強化している。再び戦闘が発生した場合でもタイ空軍のF16による攻撃への恐怖は薄れるとの見方が現地で広がっているという。
陸軍は近代化計画の一環として、高機動ロケット砲システム(HIMARS)、旧式火砲の後継となるM777榴弾砲、ストライカー装甲車の導入を計画している。HIMARSは未誘導ロケット弾と精密誘導ロケット弾の双方を運用できる機動性の高いシステムで、迅速な移動によって反撃を受けるリスクを低減できるとされる。
海軍も戦力再編を進めており、中国から武装コルベット艦の供与を受けたカンボジアに対し、依然として優位性を維持しているという。タイ海軍はフリゲート艦8隻体制の構築を目標に掲げており、今後の調達によって同体制の実現を目指す。フリゲート艦は防空、対艦、対潜水艦作戦の中核を担うほか、情報共有や海上作戦の指揮統制機能も担う見通し。

























