【タイ】カンボジア国境での緊張が緩和されたことを受け、タイ東北部の避難民の帰還が一部で始まった。停戦が7月29日に発効された後、複数回の違反が報じられたが、情勢は概ね安定しているもよう。
7月24日からの本格的な軍事衝突で、戦闘が最初に発生した東北部スリン県では、避難民が車列を作って地元に帰還する光景が見られた。一般住民の居住地域が攻撃を受けた同県カープチュン郡では、復興作業が進んでいるという。
一方、スリン県西隣のブリーラム県では、高齢者や身障者などの早急な帰還は見合わせており、タイ陸軍第2軍管区による安全確保を待っているという。戦闘が発生したバーンクルアット郡内では、カンボジア軍からの240発以上の砲撃の着弾が確認されており、不発弾の処理も完了していないという。
プームタム・ウェーチャヤチャイ副首相(首相代行)は8月9日にも、マーリット・サギヤムポン外相と共に戦闘が激しかったシーサケート県を訪れる。被災地を視察し、避難民と面会する予定。タイ中央政府からの一律の帰還要請は出ておらず、戦闘が発生したもう1県のウボン・ラーチャターニー県を含め、各県知事が陸軍と連携して安全な帰還時期を判断するという。
スリン県内の避難民の帰還の様子 写真:スリン県住民コミュニティのフェイスブック ชุมชนคนสุรินทร์