タイ連立与党、後任首相候補に元検事総長擁立か 75歳、健康不安説も
- 2024/8/14
- タイ政治
【タイ】タイの公共放送タイPBSなどによると、タイ憲法裁判所が14日、閣僚人事で憲法違反があったとして、セーター・タウィーシン首相(62)を解任したことを受け、セーター氏が所属する与党第1党プアタイ党など連立与党の幹部は同日、プアタイ党の実質的な党首であるタクシン・チナワット元首相(75)のバンコク都内の自宅で対応を協議し、チャイカセーム・ニティシリ首相顧問(75)を後任の首相候補に擁立することを決めた。
チャイカセーム氏は元検事総長で、タクシン氏の妹のインラク氏の政権(2011〜2014年)で法相を務めた。2019年の下院選では、プアタイ党の首相候補の1人として比例代表で出馬し当選した。現行憲法では、首相になれるのは政党が選挙前に指名した首相候補だけで、プアタイ党はセーター氏、タクシン氏の次女のペートーンターン・チナワット氏(37)、チャイカセーム氏の3人を指名していた。
チャイカセーム氏は選挙戦の最中から健康不安がささやかれ、セーター政権発足後も目立った活動を行っていなかった。タクシン氏は現在の不安定な政治状況の中、娘を首相に据えるのは危険と判断し、チャイカセーム氏の起用に傾いたもようだ。
下院(500)での首相指名選挙は16日に行われる予定。プアタイ党を中心とする連立与党は下院で314議席を占め、チャイカセーム氏が次期首相に選出される公算が大きいとみられている。