【タイほか】東南アジア最大級の旅行予約プラットフォーム「トラベロカ(Traveloka)」がまとめたアプリ内検索データによると、食関連の体験型観光に関する検索の大半が、タイに集中していることが分かった。調査は2025年6月、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール、オーストラリア、フィリピン、日本の8カ国・地域を対象に実施された。
検索上位100件のうち、80%以上がタイ国内の体験で、特にバンコクは全体の6割超を占めた。パッタヤー(パタヤ)、フアヒン、プーケット、チェンマイ、コーンケーンなど地方都市も多く含まれ、国内全域で美食観光が広がっているという。旅行者の関心は単なる食事にとどまらず、調理や演出を含む「体験型グルメ」へと拡大している。
カテゴリー別では、ビュッフェやおまかせコース、アフタヌーンティーなど特別感のあるダイニング体験が目立ったほか、バンコクのチャオプラヤー川沿いで夜景や寺院を眺めながら食事を楽しむディナークルーズも人気が高かった。さらに、夜景を望むルーフトップバーやスカイダイニングも多く検索され、食事に加えて非日常的な空間や眺望を重視する傾向がうかがえた。
トラベロカによると、タイ政府は美食を軸とした観光振興を進めており、2025年には食関連貿易収入が7000億バーツ(約2.8兆円)を超える見通し。タイレストラン協会は年5%の成長を予測している。タイ政府観光庁は2025年6〜9月の「緑の季節」に合わせ、地方55都市で「Gastro Nomad(美食遊牧民)」などをテーマにした体験型観光キャンペーンを展開し、5億バーツ(約20億円)規模の観光消費と1000万人以上の集客を目指す。
タイ以外では、ベトナムが2位で、フエやニンビンのローカル料理体験が人気だった。3位は日本とマカオで、日本では東京の焼肉や高級バーベキュー、マカオでは中葡融合料理が注目された。インドネシア、ラオス、フランス、グアム、香港もランキングに入った。
トラベロカは、東南アジアを拠点とする旅行予約プラットフォームで、航空券、ホテル、各種アクティビティ、空港送迎、レンタカーなどを一括して予約できるサービスを提供している。2012年に創業し、現在はオーストラリア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムなどで事業を展開。アプリの累計ダウンロード数は1億4000万回を超える。日本法人は東京都港区に本社を置く「Traveloka Japan株式会社」。