更新:バンコク都庁の30日午後6時時点の発表によると、倒壊ビルの被害者は、死亡:18人、けが:33人、不明:78人。
更新:バンコク都庁の29日午後10時時点の発表によると、倒壊ビルの被害者は、死亡:11人、けが:32人、不明:83人。
【タイ】3月29日午後1時20分頃に発生した地震によって倒壊したバンコク都内のビルで、倒壊から24時間が経過した午後1時過ぎまでに、生き埋めとなった作業員3人を救出、3時頃までに15人の生存が確認された。携帯電話で連絡が取れており、がれきによってできた空間もしくはがれきの落下を逃れた室内に閉じ込められているもよう。
被害状況の報告はメディアによって異なるが、死亡者は28日の時点で8人、29日午後4時時点で救出できていないがれきの中の(生体反応のない)3人が追加された。けが人は28日の50~60人から29日は十数人に変更された。行方不明者(生き埋め)は28日の81人から増えて29日は100人以上と報じられている。現場には当時、400人ほどの作業員がいたという。
倒壊した建設中のビルは、「タイ会計検査院(SAO)」の新本部ビルだった。請負主はタイのゼネコン大手イタリアンタイ・デベロップメント(ITD)とChina Railway No 10 (Thailand) Ltd.(CREC10)のJV(ジョイントベンチャー)の「ITD-CREC」と報じられている。CREC10は2018年8月設立、資本金1億バーツ。
2020年に着工したが、コロナ禍で工事がしばらく中断されていた。再開後の2023年2月27日にはクレーンが倒れ、カンボジア人作業員が死亡した。地上29階、30階、33階と、メディアによって報道が異なり、進捗率も、30%もしくは45%と一致していない。建設費は21億3600万バーツ(940億円相当)。タイ国内で唯一の倒壊事故で、地震の揺れを受けて一瞬で崩れたことから、「倒壊は地震ではなく手抜き工事が原因」と疑われている。
一部メディアは、バンコク都内で20年以上放置されて廃墟となった建設途中のビルと比較。「民間のビルは古くなっても倒れない。政府のビルは完成前に倒れた」と皮肉っている。