【タイ】トンブリー病院の創設者で、同院を含む私立病院チェーンを運営するトンブリー・ヘルスケア・グループ（THG）のブン・ワナーシン前会長（86）による投資詐欺が、世間を揺るがしている。ブン前会長には11月22日に逮捕状が出ているが、9月に中国に逃亡したと見られる。共に逮捕状が出ていた娘と元妻はすでに身柄を拘束されている。

　ブン前会長は現役だった2022年、5件の巨大医療プロジェクトで融資を募っていたが、全て架空だった。それによる被害者は527人に上り、被害総額は70億バーツ（310億円相当）に達するが、警察は「それは首都警察第1管区の管轄内だけの数字」とし、名乗り出ていない被害者が相当いると見ている。

　THGはタイおよびミャンマーで24院のトンブリー病院、提携病院、医療センターを展開するほか、医療機器や医療関連ソフトの販売会社を傘下に収める。

　タイでは今年に入り、健康食品や美容食品をオンライン販売していた「ジ・アイコン・グループ（The iCon Group）」による投資詐欺が発覚。さらに今回、THG前会長による投資詐欺が重なった。

ブン前会長　写真：THGホームページより