【タイ】国家半導体・先端電子産業政策委員会(半導体委員会)は9月24日、タイで初となる「国家半導体・先端電子産業発展戦略」を承認した。半導体産業のサプライチェーン全体を国内で構築し、「Chip Made in Thailand」半導体の実現を目指す。
同戦略はタイの半導体産業育成の方向性を体系的に定めるもので、3段階のロードマップに基づき産業基盤の整備を進める。2030年までに5000億バーツ、2050年までに2兆5000億バーツ超の投資誘致を目標とし、産業売上高を年間5兆バーツに拡大するとともに、23万人以上の雇用創出を目指す。新たな投資需要に対応する高度人材育成計画「Siam Silica」も承認した。
戦略の中核は、研究開発から設計、前工程(フロントエンド)、後工程の組立・試験、さらには先端電子産業との連携に至るまで、半導体産業のバリューチェーン全体を国内で強化することにある。タイ企業とタイ人材の国際サプライチェーンへの参画拡大を図り、「Chip Made in Thailand」半導体の実現につなげる。
ロードマップは3段階で構成される。第1段階の2030年までには、組立・試験分野の競争力を高め、先端パッケージング技術への高度化と前工程の生産基盤の整備を進める。第2段階の2040年までには、IC設計やウエハー製造など前工程分野の主要投資家を誘致し、サプライチェーンを拡充する。第3段階の2050年までには、国内で完結する半導体サプライチェーンを構築し、タイ企業を業界の中核企業(ローカルチャンピオン)として育成することを目標とする。
重点分野として、AIやデータセンター、高速通信向け需要の拡大が見込まれる「フォトニクス」、電気自動車(EV)や蓄電システム向けの「パワー半導体」、IoTや自動化機器、車載機器、医療機器などで活用される「センサー」の3分野を重点分野として掲げた。いずれもタイ国内に既に関連企業や顧客基盤が存在し、市場性が高いと判断している。
また、IC設計と先端パッケージング技術を重点強化分野に位置付け、チップ設計センターやEDA(電子設計自動化)ツールの整備、試作支援体制の構築を進める。あわせて、バンピング、RDL、ウエハーレベルパッケージング、パワーパッケージング、2.5D・3Dパッケージングなど先端実装技術の育成を支援する。
人材育成計画「Siam Silica」は、2030年までに計8万6600人の人材育成を目指し、このうち8万4900人を高度技能人材、約1700人を上級研究人材として育成する。大学や研究機関、民間企業、海外パートナーとの連携を通じて専門課程の整備や再教育、国内外での実習機会を拡充し、半導体設計、前工程製造、先端パッケージング、先端電子産業分野の需要に対応する。
投資委員会(BOI)によると、2023年から2026年6月までの3年半で、半導体・先端電子産業分野の投資奨励申請は879件、総投資額は9090億バーツに達した。対象は半導体製造、プリント基板(PCB)、ハードディスクドライブ(HDD)、AIサーバー、ネットワーク機器、電力管理機器、自動車向け電子部品など。
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