タイのデータセンター業界「電力供給負担は誤解」 余剰電力を経済資産に 

【タイ】タイのメディアが報じるところによると、データセンター業界が電力需要増への懸念を「経済機会」として捉え直すべきだと提案している。未使用の発電余力を投資や税収、産業成長につなげられるとし、政府に迅速な制度整備と国内への利益還元を求めている。

 タイでは現在、データセンターが大量の電力を消費することにより、供給に負担がかかるのではないかという不安が広がっている。これに対してタイデータセンター協会(TDCA)は、データセンター実効容量は2026年の1400メガワットから2030年には3700MWに増加し、年平均成長率が27.2%に達すると説明。「これは報道で取り沙汰される『3万MWの電力予約』よりはるかに小さい」とし、政府は実際の需要に基づいて政策を立てるべきと訴えている。

 「3万MWという数字は確定需要ではなく、重複や試算段階の申請を含む『予約希望』の積み上げにすぎない」とTDCAは主張。政府が進める予約制度の厳格化と保証金の導入は、投機的な申請を排除し、実際に投資する事業者を選別する効果があるとも評価している。

 タイは実際に発電能力の不足に陥っておらず、総設備容量53GWに対してピーク需要は35.9GWにとどまっている。予備率は27%あり、2030年にデータセンター需要が3700MWに達しても、既存の余力で対応可能だという。TDCAは、「この余剰電力こそが経済的価値を生む」と指摘。未使用の発電能力は「眠る国家資産」であり、データセンターはそれを収益、外貨、税収に転換できるとしている。

 データセンター産業の国内総生産(GDP)への直接寄与は現在の0.93%から、5年後には2.47%まで拡大する可能性があるとしている。2兆バーツ(10兆円相当)の投資流入や財政収入、民間部門への波及効果が見込まれるという。

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