タイのオフィス市場、景気減速と供給過剰で賃料値下げ圧力

【タイ】バンコクとプーケットに拠点を置く不動産コンサルティング会社「ナイトフランク・タイランド」によると、タイでは景気減速とオフィス物件の供給過剰が進む中、テナント企業が事業継続のために賃料の引き下げを求める動きが広がっている。2025年第2四半期には、最大25%の賃料割引が報告されたという。

 ナイトフランク・タイランドは、商業・住宅物件の仲介、資産評価、市場調査などを手がける英国系大手ナイトフランク・グループのタイ法人。同社は、多くの企業が2025年後半以降のタイ経済のさらなる減速を見込んで不動産に関する大規模な意思決定を先送りしており、これによって賃貸市場の勢いが鈍る可能性があるとみている。

 グレード別の賃料としては今年第2四半期、グレードAおよびグレードBのオフィス賃料がいずれも下落。グレードAは前期比1.2%減の月額1平米当たり1233バーツ、グレードBは同0.7%減の866バーツとなった。一方、グレードCは543バーツで横ばいだった。

 前年2024年の賃料は四半期ごとに上昇。グレードAは、第1四半期の1178バーツから第4四半期には1246バーツまで上昇した後、今年に入って下落に転じた。グレードBも、833バーツから869バーツまで上昇した後、やはり減少に転じている。タイでは3月28日に地震が発生し、高層建物を中心に物件の安全性が問われた。ただ、オフィス賃料の下落傾向はそれ以前から始まっていたとみられる。現在、新築・既存を問わず多くの物件が15〜25%の賃料割引を提示しており、こうした傾向は今後も続く見込みだという。

 入居率としては、新規供給が需要を上回ったことで、2025年第2四半期の市場全体の入居率は0.7ポイント低下し、76.8%となった。グレードAは0.4ポイント減の77%、グレードBは1.6ポイント減の74%。グレードCは、新規供給が限られていることやテナントのコスト意識の高まりを背景に、0.7ポイント上昇し80.5%となった。

写真:newsclip

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