【タイ】バンコク都心部のプラトゥーナーム界隈を再開発し、「バンコクの新宿」をコンセプトとしたショッピング街を誕生させる計画が進んでいる。同界隈でショッピングセンターやホテルなどを展開する企業が協力して数百億バーツ(数千億円)を投じ、現在建設中のMRTオレンジライン(地下鉄)の開業に合わせた街の再生に乗り出す。
プラトゥーナームは、ラーチャダムリ通り、ラーチャプラソン通り、ペッチャブリー通りが交わる一帯で、バンコクきってのショッピング街であるラーチャプラソン交差点一帯の北側に位置する。行政的にはラーチャテーウィー区内。
一昔前は衣料品の露店がひしめき合って賑やかだったが、再開発で大型小売店が開業してからは、以前ほどの混雑はなくなった。現在、ザ・プラティナム・グループ系の商業施設「プラディウム」やホテルの「ノボテル・バンコク・プラティナム・プラトゥーナム」などが交差点に建つ。
今回、オレンジラインの開業で同交差点にプラトゥーナーム駅が設けられることに伴い、周辺企業が一帯の再開発を決定。「バンコクの新宿」をコンセプトに、ショッピング、グルメ、宿泊といった施設を集中させてサービスの向上を図っていく。
周辺で1500~1600室のホテルを運営するバイヨック・ホテル・グループは、各ホテルの改修を計画。交差点の北側に建つ高層ホテルの「バイヨック・スカイ・ホテル」も含むとした。同グループによると、現在の客室稼働率は平均80%で、オレンジライン開業後は宿泊費が現在の2倍ほどに上がると見込んでいる。
また、以前はコンピュータ専門店がひしめきあって「バンコクの秋葉原」と評された旧パンティップ・プラザ(現AECトレードセンター)も100億バーツをかけて改修し、完成後は1日当たり2万人の来客を目指す。ほか、交差点から少し離れたパヤータイ通りの商業施設跡地には、ザ・プラティナム・グループが78億バーツを投じて複合施設の「ザ・プラティナム・スクエア」を開発。小売店スペースは3年後、ホテルは4年後の開業の予定だという。